「"あらかると"には一品料理の意がある。その名の通り、松本清張の多彩な魅力を、一つ一つ、味わっていただけるよう思案した」(「はじめに」より)。
アリバイ崩し、動機の追求、伏線の張り方、タイトルのつけ方、......。
熱烈なファンを自認する著者が、実作者としての視点から、創作の裏側とともに、数多くの名作を残した巨匠の「謎」を解き明かしていく。
*著者略歴*
1935年東京生まれ。早稲田大学仏文科卒。
78年、『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。
79年、『来訪者』で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞を受賞。
95年、『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。
2003年、紫綬褒章受章。
2007年に日本ペンクラブの会長に就任。